救急車すら呼べない「通信貧困」が招く命の危機
「誰でもスマホ」を展開する株式会社アーラリンクは、携帯電話を一定期間持てなかった通信困窮者682名を対象に、行政支援へのアクセスと通信手段の欠如が与える影響について調査を行いました。
この調査で明らかになったのは、通信手段がないことが、私たちの想像以上に深刻な事態を招いているという現実です。
緊急時に“助けを呼べない”——3人に1人が実被害を経験
総務省のデータによると、110番通報の大半は携帯電話から行われています。社会が「誰もがスマートフォンを持っている」という前提で設計されている現代において、その前提から外れた人々は命のリスクに直面しています。
調査結果では、携帯電話を持てない期間に、回答者の56.7%が「110番・119番に通報できない不安」を抱えていたことが判明しました。さらに、28.7%もの人々が「実際に通報できずに困った経験がある」と回答しています。


事故や急病に遭遇した際、救急車すら呼べないという現実は、「孤独死」のさらに手前で起きている深刻な危険信号と言えるでしょう。内閣府の最新推計については、以下の資料で確認できます。
相談先が分からない人は、行政を頼る人の「約2倍」
携帯電話を持てない状況で「どこに相談しようと思いましたか?」という問いに対しては、40.3%が「相談先が分からなかった」と回答しました。これに対し、「市役所・区役所などの行政窓口」を挙げたのは22.8%にとどまっています。

インターネットで検索したり、電話をかけたりする手段を失った瞬間、人々は必要な情報や制度の存在そのものにアクセスできなくなってしまいます。これは、年間2万人の孤立死につながる“見えないプロセス”の一部であると考えられます。
通信の遮断は心を蝕む——75%が「意欲を奪われた」
通信の断絶は、単なる生活の不便にとどまらず、人々の精神にも大きな影響を与えています。
自由回答では、「生きている実感さえ消えた」「このまま人生が終わると思った」といった、強烈な孤独感が寄せられました。その結果、75.2%の回答者が「就職活動などの意欲を妨げられた」と回答しています。

通信の断絶が、生きる気力をも奪う社会的ダメージであることが浮き彫りになりました。
通信は「行政の入口」であり「生存の入口」
行政のデジタル変革(行政DX)が進む現代において、連絡手段を持てない人々は、その前提から外れてしまい、支援の網にかかることすらできません。携帯電話の提供は、単に困窮者を支援するだけでなく、支援への到達率を改善し、孤立死のリスクを抑制し、ひいては社会的コストの削減にも繋がります。
通信を失った瞬間に生じる「命の危険」そのものを是正することは、社会全体のインフラ投資として極めて重要です。
調査概要
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調査名: 携帯電話番号不保持による命の安全に関するの実態調査
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有効回答数: 682名
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調査期間: 2026年1月16日~1月19日
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調査方法: 全国の「誰でもスマホ」利用者へWEBアンケートフォームを送付
「可視化」されない問題は、解決のスタートラインにすら立てません。孤立死の背景には、電話一本かけられず社会の死角にいる人々が確実に存在します。適切な通信手段があれば、彼らは人生をリスタートさせ、再び社会を支える力になり得るでしょう。
この調査結果は、通信に困るという課題を「支援や解決が必要なもの」として広く認識してもらい、誰もが再挑戦できる社会の実現を目指すものです。

株式会社アーラリンクについて
株式会社アーラリンクは、電気通信事業などを手掛ける企業です。
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会社名: 株式会社アーラリンク
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本社: 〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-21-14 NTT新池袋ビル9階
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代表取締役: 高橋 翼
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事業内容: 電気通信事業、電気通信設備の貸与又は販売、通信機器及び周辺機器に関する企画、上記各号に附帯関連する一切の業務
通信手段は、現代社会において、人々の生活と命を守るための不可欠なインフラです。この調査が示すように、通信の確保は、孤立を防ぎ、人々が安心して社会に参加するための第一歩と言えるでしょう。通信サービスは、これまで通信手段を持つことに尻込みしていた方々にとっても、再出発のきっかけとなり得る重要なツールです。