2026.02.20 業界最新情報

40年超のベテランプログラマーが開発!地域包括ケアを革新する「LYNXS」とは?

40年以上のキャリアを持つプログラマーが挑む、地域包括ケアの未来

40年以上にわたり現役プログラマーとして活躍する伊藤由起子氏が、新たな挑戦として「誰一人取り残さない」地域包括ケアの実現を目指し、多職種連携プラットフォーム「LYNXS(リンクス)」を正式にリリースしました。

地域包括ケアとは、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を最期まで続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される体制を指します。しかし、現在の在宅医療・介護の現場では、多様な専門職が連携する際に電話やFAX、対面といった方法に大きく依存しており、これが専門職に大きな負担をかけているのが現状です。

伊藤氏は、以前の職場で訪問スケジュールの自動化システムを開発し、現場の生産性を全国平均で64%向上させた経験を持っています。しかし、ケアマネジャーが電話連絡や調整に費やす時間は年間2,400万時間にも上り、これはフルタイム換算で16万人分、相手の時間も含めると32万人分に相当する膨大な時間であることが明らかになりました。この課題を解決するため、伊藤氏は株式会社LYNXSを設立し、地域連携の新たなインフラ構築に乗り出しました。

LYNXSが変える多職種連携の常識

多くの医療・介護現場では、新しいICT(情報通信技術)ツールの導入が苦手な職種にとって高いハードルとなり、「使える人だけが使う」という分断を生み出しています。また、ツール間の情報共有ができないため、連携の効果が限定的になっていました。LYNXSは、このような課題に対し、「新しいアプリへの置き換え」ではなく、「既存のアプリを全て繋ぐ(リンクする)」という画期的なアプローチで設計されています。

1. 使い慣れたツールでスムーズな連携

LYNXSの最大の特長は、ショートメッセージ、LINE、Chatworkなど、普段から使い慣れているツールを通じて情報を受け取れる点です。これにより、新たなアプリの操作を覚える必要がなく、年齢やICTスキルに関わらず、すべての関係者が連携に参加できます。これまでの連携に尻込みしていた方も、きっとスムーズに使い始められるでしょう。

LYNXSで既存ツールから連携するイメージ

2. 業務負担を劇的に軽減する数クリック連携

他事業所への利用者受け入れ打診、担当者会議などの日程調整、関係機関への情報共有といった業務は、従来、電話やFAXで何度もやり取りが必要でした。LYNXSでは、これらの業務が数クリックで完結するため、専門職の業務負担が大幅に軽減され、利用者ケアに集中できる時間が増えます。

3. 個人情報保護と効率化を両立する情報開示

個人情報の取り扱いには細心の注意が必要です。LYNXSでは、打診段階では個人を特定できない情報のみを共有し、受け入れが確定した相手にのみ、ワンクリックで詳細情報を開示する仕組みを採用しています。個人情報が含まれる場合は通知のみにすることも可能で、個人情報保護と業務効率化を両立しています。

新機能「連絡帳」で家族も安心のコミュニケーション

実証実験で得られた現場からの声を受け、LYNXSには新たに「連絡帳機能」が追加されました。この機能は、利用者一人ひとりの状況に合わせて2種類のチャットを選択できるため、専門職と家族の双方をサポートします。

  • 専門職チャット: 医療・介護の専門職のみでやり取りができるため、専門用語を用いた率直な議論や、方針決定前の協議をスムーズに行えます。

  • 連絡帳(家族チャット): 家族も含めて情報共有が可能です。事前に話し合われた統一の見解を家族に伝えることで、家族の不安を軽減し、関係者間の信頼感を醸成します。

LYNXS多職種連携プラットフォーム構成図(専門職)
LYNXS多職種連携プラットフォーム構成図(本人・家族含む)

サービス概要と今後の展望

LYNXSは完全招待制の多職種連携プラットフォームとして無料で提供されます。対象はケアマネジャー、訪問看護、訪問介護、薬局、地域包括支援センター、病院、クリニック、施設、福祉用具、行政といった地域包括ケアに関わるすべての専門職および利用者家族です。

今後LYNXSは、平時の地域包括ケアだけでなく、自治体の重層的支援体制や災害時の情報連携にも対応できる社会インフラを目指しています。日本の医療費・介護費における人件費は約28兆円を占めていますが、LYNXSによる連携効率化を通じて約1兆円規模の価値創出を目標に掲げ、地域包括ケアの質向上と持続可能性の実現に貢献していくとのことです。群馬県・山梨県での実証実験の知見を活かし、全国47都道府県での展開、さらには世界への展開も視野に入れています。

LYNXSに関するお問い合わせはこちらから可能です。

株式会社LYNXS 代表取締役 伊藤由起子氏のプロフィール

株式会社LYNXSの代表取締役である伊藤由起子氏は、日本のIT黎明期から40年以上現役プログラマーとして活躍するIT業界のパイオニアです。ソフトバンクの日次決算システム開発や、在宅医療向け訪問スケジュール自動化クラウドの開発など、数々の業務改革システムを手掛けてきました。前職の株式会社ゼストでは、訪問看護・介護・診療の生産性を全国平均で64%向上させるなど、ITによる業務改革を実現しています。2024年5月に株式会社ゼストの代表取締役会長を退任後、「誰一人取り残さない多職種連携」の実現を目指して株式会社LYNXSを設立しました。伊藤氏自身が現場課題を起点に設計し、ICTが苦手な職種でも直感的に使えるDXを徹底追求しています。

株式会社LYNXS 代表取締役 伊藤由起子氏

×