TSMC、2ナノプロセス量産開始で特殊化学品の台湾国内自給率が7割へ

半導体製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、2025年第4四半期に2ナノメートル製造プロセスの量産を開始する計画です。2ナノプロセスとは、半導体の回路線幅が2ナノメートルという極めて微細な技術で、スマートフォンやPC、AIデバイスの性能を飛躍的に向上させる鍵となります。2027年までには台湾国内で最先端プロセス工場7基の稼働が予定されており、これに伴い半導体製造に不可欠な特殊化学品の需要が急拡大しています。
地政学リスクの高まりを受け、サプライチェーン(供給網)の強靭化が世界的な課題となる中、台湾では半導体向け特殊化学品の内製化が急速に進んでいます。業界では、台湾メーカーによる供給比率が2030年には70%まで上昇すると予想されており、新応材(AEMC)や台湾特品化学(TSC)といった台湾企業が、先端プロセス向けの主要サプライヤーとして注目されています。
AIとHBM需要が台湾半導体産業を牽引
AI(人工知能)搭載スマートフォンの普及やデータセンターにおける演算需要の急増が、台湾半導体産業の成長を強力に後押ししています。2025年の台湾IC産業の生産額は前年比22.7%増の6.52兆台湾元と大幅な成長を記録しました。この好調な流れは2026年も続き、特にAIサーバーに必須となるHBM(広帯域幅メモリー)の需要が爆発的に拡大することで、産業全体で前年比18.3%増の7.7兆台湾元規模に達すると予測されています。
HBMは、複数のDRAMチップを積層することでデータ転送速度を大幅に向上させたメモリーで、AIの複雑な計算処理を高速化するために不可欠な技術です。このHBM需要の拡大は、今後私たちが利用するAIサービスや高性能デバイスの進化に直結するでしょう。
AIサーバー向けスライドレールで躍進する南俊国際(REPON)
AIサーバーの高性能化に伴い、発熱量が増大しています。これを効率的に冷却するため、完全液冷システムの導入が進む中、スライドレールメーカーの南俊国際(REPON)が注目を集めています。
同社は、自動車グレードの高張力鋼板を採用し、コンマ数ミリ単位の薄型化と高い耐荷重性、さらには漏水防止性能を実現したスライドレールを開発。シミュレーションソフトの活用により、開発期間を従来の1年からわずか2ヶ月へと大幅に短縮する機動力を発揮し、マイクロソフトやアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)といった米国の主要クラウドプロバイダーからの受注を拡大しています。これは、AIインフラを支える縁の下の力持ちとして、台湾企業が世界的な役割を果たしている好例と言えるでしょう。
台湾手動工具産業、「価値マーケティング」で回復へ
地政学リスクや関税政策の不確実性を背景に、2025年の台湾手動工具産業は生産額が前年比2.0%減、輸出額が同6.2%減と厳しい状況に直面しました。しかし、業界はこれまでの「価格競争」からの脱却を目指し、全面的なデジタル化やグリーン製造を取り入れた「価値マーケティング」への構造転換を急ピッチで進めています。
高付加価値なプロフェッショナル向け需要を牽引役に、2026年第2四半期からは明確な回復軌道に乗ると見込まれています。これは、単に製品を安く売るのではなく、品質、機能、環境性能といった「価値」を重視することで、市場での競争力を高めようとする戦略的シフトと言えます。
「ワイズ機械業界ジャーナル」で台湾産業の今を知る

今回ご紹介したような台湾の最新産業動向は、「ワイズ機械業界ジャーナル」で詳しく分析されています。このジャーナルは、半導体設備、電子材料・部品、工作機械、手工具、自動車、自動化・ロボット、再生エネルギーなど、多岐にわたる分野の業界トレンド、企業動向、統計資料、法改正情報を日本語で提供しています。
豊富な写真と図表、読みやすいPDF形式で提供され、過去記事のデータベース検索も可能です。台湾の産業に関心のある方にとって、貴重な情報源となるでしょう。
-
新刊ハイライト: https://www.ys-consulting.com.tw/research/127508.html
-
新刊ハイライトのバックナンバー: https://www.ys-consulting.com.tw/research/l/86/213/
2週間無料試読のお申し込みも可能です。お問い合わせの種類から「機械業界ジャーナル」を選択して、ぜひ詳細をご確認ください。
- 2週間無料試読のお申し込み: https://www.ys-consulting.com.tw/contact/
台湾の市場調査・リサーチに関するお問い合わせ
台湾の市場調査やリサーチに関するご相談は、ワイズリサーチ(威志総研)までお問い合わせください。