開発の背景にある課題
Dr.JOY株式会社のAI電話は2024年6月のサービス開始以来、180以上の医療機関で導入が進んでいます。しかし、従来のIP電話型サービスでは、以下のような課題が顕在化していました。
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患者側に050番号への通話料が発生し、特に固定電話からの通話では負担が大きい。
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病院ホームページに電話番号を掲載しても、番号確認、電話アプリ起動、入力、発信という複数のステップが必要で、患者が途中で諦めてしまうケースがある。
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患者の滑舌や周囲の騒音、年齢による発話の特徴などから、AI電話(人工知能が自動で電話応対を行うサービス)が氏名や生年月日を正確に聞き取れないことがあり、事務スタッフが通話録音を確認する追加業務が発生していた。
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AIの聞き取り精度の問題から、患者の言い直しや確認のやり取りが増え、1本あたりの通話時間が長くなることで、患者・病院双方の電話料金がかさんでいました。

これらの課題を解決するために開発されたのが「Web無料通話」機能です。
「Web無料通話」機能とは
「Web無料通話」は、患者さんが病院のウェブサイトやQRコードから直接ブラウザ経由でAI電話に接続できる機能です。
この機能は、WebRTC(ウェブブラウザ間でリアルタイムに音声、動画、データをやり取りするための技術)を活用しているため、電話回線を一切使用しません。そのため、患者側の通話料が無料になるだけでなく、病院側にも電話回線の通話料が発生しないのが大きな特徴です。フリーダイヤルのように病院が通話料を肩代わりする仕組みとは異なり、電話回線のコスト自体をゼロにする構造です。

さらに、通話前に患者さん自身が氏名や生年月日などをテキストで入力できるフォームが用意されています。これにより、音声認識の誤変換や言い直しが大幅に減少し、1本あたりの通話時間が短縮されます。結果として、病院側のAI電話の従量課金も抑えることが可能になります。
機能の主な特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 通話料 | 患者側:無料(インターネット回線を利用) 病院側:電話回線の通話料は不要(AI電話の稼働に応じた従量課金のみ) ※インターネット接続に必要な通信料は別途発生します |
| 電話番号の入力 | 不要。患者の個人番号を通知する必要なし |
| 専用アプリ | 不要。スマートフォン、もしくはブラウザとマイクがあれば利用可能 |
| 接続方法 | 病院ホームページの「無料通話」ボタンまたはQRコード |
| 事前情報収集 | 通話前に患者名・生年月日等をフォームで収集 |
| カスタマイズ | 情報収集フォームの項目・分岐設定を病院ごとに調整可能 |
| 従来の電話回線 | 併用可能。050番号からの通話も引き続き利用可 |
事前に入力するフォームの項目や分岐設定は、病院ごとにカスタマイズ可能です。例えば、患者向け・医療関係者向けでフォームを分けたり、診療科別に聴取項目を変えたりといった柔軟な運用ができます。
患者の操作フロー
- リンクをタップ: 病院ホームページの「無料通話」ボタンをタップするか、QRコードを読み取ります。
- 患者情報を入力: 患者名(カナ)、折り返し連絡先、診察券番号などをフォームに入力します。
- AI電話に接続: 「無料通話」ボタンを押すと、ブラウザやスマートフォン上でAI電話との通話が開始されます。
- 通話完了: 通話内容はテキスト化され、病院側の管理画面に自動で反映されます。SMSで聴取内容の確認も可能です。

想定される活用シーン
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病院ホームページへの設置: 診療予約、健診予約、予約変更、キャンセル受付などに活用できます。
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予約票・診察券へのQRコード印刷: 次回予約の変更やキャンセル導線として活用すれば、患者さんは手元のQRコードをスマートフォンで読み取るだけで、電話番号を入力することなく無料通話を開始できます。これにより、自宅からの予約変更が格段に手軽になります。
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院内での周知: デジタルサイネージや待合室の掲示物にQRコードを表示し、来院時に周知することも可能です。
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医療関係者からの問い合わせ: 地域連携室や薬剤部向けの専用フォームを作成し、医療関係者からの問い合わせ導線としても利用できます。
今後の展開
Dr.JOY株式会社は、今後、診療予約だけでなく、健診・人間ドック予約、地域連携、疑義照会、面会予約など、AI電話の全シナリオにおいてWeb無料通話への対応を順次拡大していく予定です。さらに、外国人患者向けのAI通訳機能との連携も計画されており、インバウンド対応も視野に入れています。
将来的には、病院の代表電話そのものをWeb無料通話に置き換える構想も掲げています。多くの病院で課題となっている代表電話の取りこぼしを解消し、Web無料通話経由でAI電話が一次受けする仕組みを構築することで、「電話がつながらない」という課題を根本から解決し、患者の通話料負担もゼロにすることを目指します。

現在病院のホームページに掲載されているフリーダイヤル(0120)やナビダイヤル(0570)についても、Web無料通話への置き換えが検討されています。これにより、患者側の通話料負担をゼロにしつつ、病院側もフリーダイヤルやナビダイヤルの費用を削減しながら、AI電話による24時間365日の応答体制を維持することが可能になるでしょう。
Dr.JOY株式会社は「すべての医療従事者に、次の一手を」をミッションに掲げ、病院の外来業務をはじめとする様々な業務のDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセスを変革すること)推進を支援していきます。
Dr.JOY株式会社 代表取締役社長・医師 石松 宏章氏は、Web無料通話について「患者さんが病院にアクセスする際のあらゆるハードルを取り除くために開発しました。通話料は無料、電話番号の入力も不要、ホームページ上のボタンをタップするだけ。技術で解決できることは技術で解決し、患者さんが“電話したいときに、すぐ電話できる”環境を実現します」とコメントしています。

関連リンク
- Dr.JOY「病院特化型 AI電話」: https://drjoy.jp/feature/aicall
会社概要

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社名: Dr.JOY株式会社
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本社所在地: 東京都港区虎ノ門2丁目6番1号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー17F
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設立: 2013年11月
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事業内容: 医療分野におけるソフトウェア開発・運用 / 医療機関への医療・医薬品情報の提供
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公式ウェブサイト: https://drjoy.co.jp/