2026.04.22 業界最新情報

AI時代を快適に!ソフトバンクとエリクソンが5G SAの上り通信を最大約1.5倍高速化する新技術「Uplink Tx Switching」を導入

AI時代を支える高速通信:上り通信を強化する「Uplink Tx Switching」とは?

近年、AI(人工知能)の活用やSNSの利用が広がるにつれて、私たちがスマートフォンやPCからインターネットにアップロードするデータ量が増加しています。特に、高画質な動画や写真の共有、クラウドサービスへのデータ保存、AIを活用したリアルタイムな情報処理など、上り通信(データを送信する方向の通信)の安定性と高速化がこれまで以上に求められています。

このような背景を受け、ソフトバンクとエリクソンは連携し、5G SA(スタンドアローン方式の5G)の上り通信を高速化する新技術「Uplink Tx Switching」のネットワーク対応を開始しました。この技術は、2026年夏(予定)以降にソフトバンクが発売する一部のスマートフォンで順次利用できるようになります。

「Uplink Tx Switching」で上り通信が最大約1.5倍高速に

「Uplink Tx Switching」は、複数の周波数帯を同時に利用する「キャリアアグリゲーション」と、複数のアンテナを使ってデータを送受信する「MIMO(Multiple Input Multiple Output)」という技術をさらに高度化させることで、上り通信のさらなる高速化と安定化を実現します。

具体的には、TDD(Time Division Duplex:上りと下りの通信を時間で切り替える方式)方式の周波数帯で上り通信を行う際に、FDD(Frequency Division Duplex:上りと下りで異なる周波数帯を利用する方式)方式の通信を一時的に停止します。これにより、帯域の広いTDD方式でMIMO通信を効率的に行い、上り通信の速度を向上させる仕組みです。

Uplink Tx Switchingの仕組み

ソフトバンクの検証によると、この技術の導入によって上り通信のスループットが理論上約1.5倍に向上することが見込まれています。これにより、例えば以下のような場面で快適な体験が期待できます。

  • 高画質な動画や画像のアップロード:SNSへの投稿やクラウドストレージへの保存が、これまで以上にスムーズになります。

  • AIを活用した大容量データの送信:AIを使ったリアルタイムな処理や、学習データのアップロードなどが快適に行えます。

専門用語解説

  • 5G SA(スタンドアローン方式の5G):従来の4G設備に依存せず、5G専用のコアネットワークで構成された、5G本来の高速・大容量・低遅延といった性能を最大限に引き出す通信方式です。限定エリアで提供されています。最新のエリア情報については、ソフトバンクのエリアマップをご確認ください。

  • キャリアアグリゲーション:複数の周波数帯の電波を束ねて同時に利用することで、通信速度を向上させる技術です。

  • MIMO(Multiple Input Multiple Output):複数のアンテナを使って、同時に複数のデータを送受信することで、通信速度と効率を向上させる技術です。

  • TDD(Time Division Duplex):同じ周波数帯の電波を使い、上り(送信)と下り(受信)の通信を時間で切り替える方式です。

  • FDD(Frequency Division Duplex):上り(送信)と下り(受信)で異なる周波数帯の電波を利用する通信方式です。

AI時代を見据えた取り組みと今後の展望

エリクソンが定期的に発行する「エリクソン・モビリティ・レポート」2025年11月版(レポートはこちら)では、AI対応デバイスやAIエージェントが将来の上り通信トラフィック増加を促進する要因として指摘されています。ソフトバンクとエリクソンは、このような将来のトラフィック増加を見据え、2024年からスマートフォンのチップセットベンダーと連携し、「Uplink Tx Switching」の導入に向けた取り組みを進めてきました。チップセットの開発段階から共同で性能検証を実施し、今回のネットワーク導入を実現しています。

今後、ソフトバンクは「Uplink Tx Switching」の対応機種および対応エリアの拡大を進める予定です。また、エリクソンと協力し、さらに新しい技術標準である3GPP Release 17で定義されたFDD方式の周波数帯もMIMOに対応させることを視野に入れ、さらなる上り通信性能の向上を目指しています。

ソフトバンクは、最新技術を活用した5Gサービスの高度化を通じて、通信品質とお客さまの満足度向上に引き続き取り組んでいくとしています。通信ネットワークに関する取り組みの詳細は、以下のリンクから確認できます。

エリクソンに関する情報は、エリクソン公式サイトエリクソンニュースルームでご覧いただけます。

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