注目したい最新技術と製品
1. 超低消費電力エッジAIを実現する「nRF54LM20B」
エッジAIとは、スマートフォンやIoTデバイス自体でAI(人工知能)の処理を行う技術です。これにより、クラウドにデータを送る手間が省け、より速く、プライバシーに配慮した処理が可能になります。
新製品の「nRF54LM20B」は、AI処理に特化したニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)を搭載したSystem-on-Chip(SoC)です。このNPUにより、Arm® Cortex® CPUで実行する場合と比較して、AIモデルの処理を最大15倍高速化し、消費エネルギーも大幅に削減します。これにより、高頻度なセンサーデータ処理や音声解析といったエッジAIの負荷が高いタスクも、小型のバッテリー駆動デバイスで実現できるようになります。
2. IoTデバイスを遠隔から管理・監視「nRF Cloud powered by Memfault」
IoT製品は、一度世に出たら終わりではありません。リリース後もデバイスの状況を把握し、必要に応じてソフトウェアを更新することが重要です。「nRF Cloud powered by Memfault」は、デバイスの監視、管理、位置情報サービスを統合したプラットフォームです。
このプラットフォームは、Memfaultの技術とNordicのクラウドサービス基盤「nRF Cloud」を組み合わせたもので、遠隔診断、デバイスの稼働状況モニタリング、そして安全なOTA(Over-The-Air)アップデート(無線経由でのソフトウェア更新)といった機能を提供します。これにより、開発者はデバイスの品質向上、現場での問題解決の迅速化、顧客満足度の向上を目指すことができます。
このサービスは、nRF91シリーズのセルラーIoTモジュールだけでなく、nRF54シリーズ、nRF53シリーズ、nRF52シリーズのマルチプロトコル無線SoCにも対応しており、幅広いデバイスで利用可能です。
3. 長距離IoT接続を可能にする「nRF93M1」LTE Cat 1 bisモジュール
IoTデバイスを広範囲で安定して接続したい場合に活躍するのが、セルラーIoT技術です。新製品の「nRF93M1」LTE Cat 1 bisモジュールは、Nordicの長距離通信ポートフォリオに新たな選択肢を加えます。
このモジュールは、地域別およびグローバルに対応するオプションを提供し、大規模で信頼性の高いIoT展開をサポートします。超低消費電力設計により、バッテリー駆動デバイスでも数年間の動作が可能となり、企業は迅速な製品開発と市場投入を実現できるでしょう。
4. 超低消費電力Bluetooth LEの新製品「nRF54LS05A」と「nRF54LS05B」
Bluetooth LE(Bluetooth Low Energy)は、少ない電力で短距離の無線通信を行う技術で、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなど、身近な多くのデバイスで使われています。
エントリーレベルの新製品「nRF54LS05A」と「nRF54LS05B」は、単一チップでワイヤレスSoCとして機能するほか、複数のチップで構成されるシステムではBluetooth LEのコンパニオンデバイスとしても利用できます。堅牢なBluetooth LE接続と超低消費電力を両立し、センサー、タグ、ビーコン、リモコン、PC周辺機器といったシンプルなアプリケーションに最適です。
5. バッテリーの健康状態を正確に管理「Nordic Fuel Gauge v2.0」
IoTデバイスのバッテリー寿命は、製品の信頼性や持続可能性に直結します。「Nordic Fuel Gauge v2.0」は、nPM1300およびnPM1304パワーマネジメントIC向けのソフトウェアベースのバッテリー状態管理ソリューションです。
このアップデートにより、バッテリーの健康状態(SoH)の高度な推定機能や、適応型バッテリーモデルが追加されました。これにより、メーカーはバッテリーの交換時期を適切に判断し、「修理する権利(Right to Repair)」への対応を支援するとともに、製品の信頼性向上と保証コストの削減を実現できます。
6. AliroおよびMatter対応アクセス制御システム向けリファレンスデザイン
スマートホームや商業施設におけるアクセス制御は、より安全で相互運用性の高いシステムへと進化しています。Nordicは、AliroおよびMatterを活用したアクセス制御ソリューション向けの新たなリファレンスデザインを紹介します。
Aliroは、物理的な鍵やカードに代わる安全なモバイル認証情報を提供し、Bluetooth LE、Ultra-Wideband(UWB)、Near Field Communication(NFC)をサポートすることで、開発者に柔軟な技術選択肢をもたらします。
出展社セミナーでさらに深く学ぶ
イベント期間中には、Nordicの専門家が登壇する出展社セミナーも開催されます。最新技術の詳しい解説や、開発者がどのようにこれらの技術を活用できるかといった有益な情報が提供される予定です。
-
5月27日(水)11:40~12:00 A会場
-
講演者: ジョン・ケニー(日本カントリーマネージャ)
-
-
5月28日(木)11:40 – 12:00 A会場
-
講演者: 小林 紀之(セールス&マーケティング アカウントマネージャー)
-
タイトル: 「コネクティビティのその先へ:Memfaultが提供するnRF Cloudにより、安全で可視性の高い、容易なメンテナンスの実現」
-
これらのセミナーは、最先端のワイヤレス技術やIoTソリューションの導入を検討している方にとって、きっと貴重な機会となるでしょう。
Nordic Semiconductorについて
Nordic Semiconductorは、低消費電力ワイヤレス接続ソリューションのグローバルリーダーとして知られています。Bluetooth LEのパイオニアとして業界を牽引し、現在ではセルラーIoT、Wi-Fi、Matter、Thread、Zigbee、DECT NR+、NTN/衛星通信など、幅広いワイヤレスソリューションを提供しています。同社の技術は、コンシューマー、ヘルスケア、産業分野において、安全で拡張性に優れ、エネルギー効率の高い接続型製品の実現を可能にし、よりスマートでつながる世界の発展を支えています。
「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2026」への出展は、これらの革新的な技術を直接体験する絶好の機会です。ぜひ会場に足を運び、未来のワイヤレス技術が私たちの生活にもたらす可能性を感じてみてください。
関連リンク: