2026.05.22 業界最新情報

モバイルバッテリーの安全性、どう見極める? MCPCが「製品の背景」を可視化する新運用を開始

モバイルバッテリーの安全性を新たな視点から考える

近年、モバイルバッテリーに起因する発火・火災事故が増加しており、その安全性をどのように見極めれば良いのか、多くの利用者が不安を感じています。

火災件数推移 (モバイルバッテリー)

この状況を受け、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)は、2026年4月に公表した「モバイルバッテリー安全性・品質ガイドライン」に基づき、ガイドラインで示した考え方を事業者が利用者に分かりやすく説明するための共通の枠組みとして、2026年6月初旬を目途に実際の運用フェーズへ移行することを発表しました。

「製品の背景」に着目した新しい取り組み

今回の取り組みは、特定の製品の性能や安全性を直接評価・保証するものではありません。その代わりに、モバイルバッテリー事業者が、製造工程や品質管理、アフターサービス、そして使用終了後の製品ライフサイクルといった、製品の「背景」に対してどのような考え方や体制で安全性・品質確保に取り組んでいるかを整理し、自主適合宣言制度として運用するものです。これにより、これまで事業者ごとに異なっていた安全・品質確保の取り組みが、一定の視点で比較・理解しやすくなります。

具体的には、以下の点がガイドラインの視点に基づき確認されます。

  • 製造工程やサプライヤー管理など、品質確保に向けた体制

  • 問い合わせ対応や事故発生時の対応体制など、アフターサービスの考え方

  • 使用終了後を含め、製品ライフサイクル全体を見据えた安全性への配慮(回収・廃棄に関する情報提供体制など)

「MCPC適合マーク」とは

本運用フェーズでは、「モバイルバッテリー安全性・品質ガイドライン」に沿って安全性・品質確保に取り組む事業者の取り組み内容をMCPCが一定の視点で整理し、可視化します。その結果、ガイドラインの視点に基づき一定の確認が取れた場合には、「MCPC適合マーク」が付与される仕組みです。

MCPC GL-015適合マーク

このマークは、特定の製品の性能や安全性を評価・保証するものではなく、製品の優劣を示すものでもありません。あくまで、モバイルバッテリー事業者が自身の安全性・品質確保に対する考え方や体制を利用者に説明するための「共通言語」として提供されるものです。製品のスペックや外観だけでは分かりにくい「製品の背景」について、利用者が事業者の取り組み姿勢を理解する上での最低限の前提情報となることを目的としています。

法令認証を代替するものではない

本取り組みは、法令に基づく認証や既存の第三者認証を代替するものではありません。また、特定の製品や事業者の優劣を示すものではなく、規制や監視を目的とした制度でもありません。MCPCは、経済産業省 産業保安・安全グループ 製品安全課と随時相談を行い、活動の透明性を確保し、社会的意義の高い活動を推進しています。

今後の展望

MCPCは、今後も市場動向や事故情報を踏まえながら、本取り組みの運用状況を検証し、必要に応じて運用方法やガイドライン内容の見直しを行う予定です。この取り組みが、事業者による説明のしやすさ向上や、利用者が製品選択を考える際の一助となることを目指しています。利用者にとっては、製品スペックや価格に加え、事業者がどのような体制で安全性・品質確保に向き合っているかを考える際の一つの視点となるでしょう。

この取り組みに関する詳細な資料は以下で確認できます。

MCPCについて

MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム 会長:安田 靖彦)は、1997年に発足した任意業界団体です。業界の枠を超えてモバイルコンピューティングの普及促進を目的とし、スマートフォン等のUSB充電インタフェース安全設計ガイドラインをはじめとする多数の標準化作業や、「IoTシステム技術検定」などの検定事業を通じて、モバイル、IoT/AIの普及拡大に貢献しています。2026年5月現在、166社が加盟しています。

MCPCに関する詳細情報は、公式サイトをご覧ください。
http://www.mcpc-jp.org

モバイルバッテリーを選ぶ際に、この新しい「MCPC適合マーク」が、あなたの安心を支える一つの指標となることでしょう。製品の背景にある「安全への配慮」に注目することで、これまで以上に納得のいく製品選びができるようになるかもしれません。

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