2026.06.09 業界最新情報

製造業に革命をもたらす!「生成AI」を製品に搭載する「エッジAI」活用の最前線

エッジAIが身近になった背景

エッジAIの活用が現実的になった背景には、AI処理性能が飛躍的に向上したプロセッサーの登場があります。例えば、最大180TOPS(1秒間に180兆回の演算が可能)のAI性能を持つIntel® Core™ Ultra シリーズ 3 プロセッサーのような高性能チップが普及することで、生成AIをエッジデバイス上で実行し、実際の製品に組み込むことが容易になりました。

しかし、この新しい技術を製品にどう組み込むか、その評価・検証から実装までのノウハウはまだ十分に確立されているとは言えません。そこで、東京エレクトロン デバイス株式会社(以下、TED)は、この課題を解決するための支援体制を新たに整備しました。

エッジAIとクラウドAIの連携アーキテクチャを示す図

TEDが提供する包括的な支援プログラム

TEDが提供するのは、SLM(Small Language Model、小規模言語モデル)の評価支援プログラム「Try it! SLM on Edge」を軸とした、生成AI活用を段階的にサポートするサービスです。SLMは、大規模言語モデル(LLM)に比べて規模が小さく、エッジデバイスでの動作に最適化されています。特定のタスクに特化させることで、効率的かつ高速なAI処理を実現します。

1. Foundry Localトレーニング

エッジ環境でSLMを活用するための基礎知識や、既存のAIモデルを特定のデータに合わせて学習させる「ファインチューニング」の考え方を習得できるトレーニングです。マイクロソフトの軽量AI推論プラットフォーム「Foundry Local」を活用し、生成AIの可能性を体験的に理解することで、製品への応用を具体的に検討する第一歩を支援します。

2. 伴走支援サービス

評価・検証フェーズから製品への組み込みを見据えた段階では、専任エンジニアがお客様の製品構成や利用シーンに合わせて伴走型で支援します。生成AIをどこで、どのように活用するかといった実装レベルの検討を通じて、製品化に向けた具体的な検討をサポートします。この支援は、「Try it! SLM on Edge」における実装支援フェーズとして提供されます。

3. 検証用ミニPC(オプション)

エッジAIに対応した検証用ミニPCをオプションで提供し、スムーズな開発環境の構築をサポートします。

Foundry LocalとFalconVaultを含む具体的な構成例

知的財産保護への配慮と独自技術「FalconVault」

生成AIを製品に組み込む際、AIモデルに含まれる独自データやノウハウの扱いも重要な課題です。TEDでは、こうした知的財産保護を考慮した仕組みとして、独自技術「FalconVault(ファルコンボルト)」(特許出願中、2026年夏リリース予定)の開発にも取り組んでいます。これにより、安心して生成AIを製品に実装できる環境が提供されることになります。

日本マイクロソフト株式会社からのコメント

日本マイクロソフト株式会社は、TEDによる製造業におけるエッジ環境での生成AI活用に向けた取り組みを歓迎しています。生成AIの活用が検討段階から実装フェーズへと移行する中で、クラウドとエッジを組み合わせた柔軟なアーキテクチャ設計の重要性が高まっています。TEDのアプローチは、各企業が自社の状況に応じて生成AIを活用した製品開発を検討する上で、有効かつ実践的なモデルであると評価しています。

日本マイクロソフトは、WindowsやMicrosoft AzureをはじめとするエッジからクラウドまでのAIプラットフォームを通じて、パートナー企業と協力しながら、製造業におけるデジタルトランスフォーメーションの推進に貢献していくとしています。

関連セミナーのご案内

製造業DXの新潮流やエッジ生成AI実装の最前線について学ぶオンラインセミナーが開催されます。

東京エレクトロン デバイス株式会社について

東京エレクトロン デバイスは、半導体やITを中心とする最先端テクノロジーの社会実装を推進している企業です。技術商社として培った先進的な製品・サービスの発掘と、メーカー機能の強化による革新的なソリューションの開発を通じて、超スマート社会の実現と持続的な発展に貢献しています。

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