5G通信向け高周波・高速CCLの世界市場が拡大
株式会社マーケットリサーチセンターの発表によると、「5G通信向け高周波・高速CCLの世界市場」は、2025年の14億6,300万米ドルから2032年には29億8,200万米ドルにまで拡大すると予測されています。これは、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)11.0%で成長する見込みです。
2025年時点での販売量は約50,500千平方メートルに達し、平均製品価格は1平方メートルあたり29.6米ドル、業界平均粗利益率は21.5%でした。この成長は、5G通信の普及とそれに伴うインフラ整備が加速していることを示しています。

「高周波・高速CCL」とは?5Gを支える基盤技術
「CCL」とは「Copper Clad Laminate(銅張積層板)」の略で、電子回路基板の主要な材料です。特に「5G通信向け高周波・高速CCL」は、5G通信の要求に応えるために特別に開発されたハイエンドの硬質銅張積層板を指します。
専門用語をわかりやすく解説
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低誘電率(Dk):電気信号が材料中を伝わる速さに関係する特性です。Dk値が低いほど信号の伝播速度が速くなり、より高速なデータ伝送が可能になります。
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低誘電正接(Df):電気信号が材料中を伝わる際に失われるエネルギー(信号損失)に関係する特性です。Df値が低いほど信号損失が少なく、遠くまで安定して信号を送ることができます。
これらの特性を持つCCLは、高性能な樹脂、低損失ガラス布、高周波用銅箔を組み合わせて作られています。これにより、5G Sub-6GHz帯やミリ波帯といった高周波数帯域での通信に必要な「低損失」「低遅延」「安定した高速信号伝送」を実現します。
種類と用途
高周波・高速CCLには、主に以下の2種類があります。
- フッ素系材料(例:PTFE基材):N-84やRO4350Bなどが代表的です。誘電常数が優れており、熱特性も高いため、特に信号の安定性が求められる用途に適しています。
- エポキシ基材:比較的低コストで製造効率が高いという特徴があります。しかし、高周波数帯域での性能はフッ素系材料に劣ることがあります。
これらのCCLは、5G基地局、アンテナ、RFモジュール、高速スイッチなど、5G通信のインフラを構成する重要な部品に採用されています。例えば、スマートフォンが5Gネットワークに接続する際、その信号は基地局のCCLを通じて処理され、高速で安定した通信が実現されるのです。
5G通信の未来を形作るCCLの可能性
5G通信は、単にスマートフォンの速度を上げるだけでなく、社会全体のデジタル化を加速させます。高周波・高速CCLは、その中心的な役割を担う基盤技術として、以下のような分野でその重要性を増しています。
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次世代のモバイル通信:より多くのデバイスが同時に接続し、大容量データを瞬時に送受信する環境を支えます。
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IoTデバイス:スマートホーム、スマート工場など、あらゆるモノがインターネットにつながることで、効率的で便利な社会が実現します。
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産業用通信:工場の自動化や遠隔操作など、リアルタイム性が求められる産業分野での信頼性の高い通信を可能にします。
また、5G通信では「ビームフォーミング技術」や「MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術」といった先進的なアンテナ技術が用いられています。ビームフォーミングは特定の方向に電波を集中させることで通信効率を大幅に向上させ、MIMOは複数のアンテナを使い通信速度と安定性を高めます。高周波・高速CCLは、これらの技術を最大限に引き出すための基盤として不可欠です。
レポートで詳細を知る
本調査レポートでは、パナソニック、ロジャース、AGC(タコニック)、イゾラ・グループ、台湾ユニオン・テクノロジー・コーポレーションなど、世界的な主要企業が取り上げられています。また、タイプ別(高周波CCL、高速CCL)、用途別(5G無線アクセスネットワーク、5Gトランスポートネットワーク、5Gコアネットワーク)、地域別(米州、アジア太平洋地域、欧州、中東・アフリカ)など、多角的な視点から市場が分析されています。
5G通信の発展には、高周波・高速CCLが不可欠であり、その技術的革新が新たな通信ソリューションやアプリケーションをもたらすことが期待されています。この分野の動向は、これからのデジタル社会の発展に大きく影響することでしょう。