2026.07.15 業界最新情報

私たちの生活を支える「標準ロジックIC」市場が急成長!2035年には195億米ドル規模へ

身近な電子機器を動かす「標準ロジックIC」とは?

「標準ロジックIC」という言葉を耳にしたことはありますか?これは、スマートフォン、パソコン、テレビ、家電製品、そして最近では電気自動車(EV)に至るまで、私たちの身の回りにあるほとんどすべての電子機器に搭載されている、デジタル信号を処理するための基本的な半導体部品です。例えるなら、これらの機器の「頭脳」や「神経」のような役割を果たし、様々な情報を正確に、そして高速にやり取りすることで、機器がスムーズに動作することを可能にしています。

2035年に向けて拡大する日本の標準ロジックIC市場

Research Nester Inc.が実施した最新の調査によると、日本の標準ロジックIC市場は、2025年には124億米ドルと評価され、2035年末までには195億米ドルに達すると予測されています。この期間中の年平均成長率(CAGR)は5.3%と見込まれており、着実な成長が期待されています。

この成長は、私たちのデジタルライフがさらに進化していくことを示唆しています。

日本の標準ロジックIC市場

より詳細な市場調査レポートは、以下のリンクから入手できます。

市場成長を牽引する多様な要因

標準ロジックIC市場の急成長は、いくつかの強力なトレンドによって支えられています。

スマートデバイスとIoTの普及

スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスは、私たちの生活に欠かせないものとなりました。これらのデバイスがより高性能になり、多機能化するにつれて、内部で使用されるロジックICの需要も増加しています。

また、「モノのインターネット(IoT)」の拡大も大きな要因です。IoTとは、冷蔵庫やエアコンといった家電製品、工場で使われる機械、自動車など、あらゆる「モノ」がインターネットに接続され、互いに情報をやり取りする仕組みのことです。2024年5月にIoT M2M Councilが発表した記事によると、2033年末までに世界中のIoT接続数は400億に達すると予測されており、これにより標準ロジックICの需要は大きく伸びるでしょう。

電気自動車(EV)とAI技術の進化

環境意識の高まりとともに普及が進む電気自動車(EV)も、標準ロジックICの重要な応用分野です。EVには、バッテリー管理、モーター制御、運転支援システムなど、多くの電子制御が必要です。これらすべてに高性能なロジックICが不可欠です。

さらに、人工知能(AI)ベースのデバイスやエッジコンピューティングの増加も市場を押し上げています。AI技術は、スマートスピーカーや自動運転車、工場での品質管理など、幅広い分野で活用されており、これらのAIを動かすための高性能なロジックICが求められています。

技術革新を続ける主要プレイヤー

市場の成長を支えるのは、半導体メーカー各社の技術革新です。最近の動向を見てみましょう。

  • 東芝デバイス&ストレージ株式会社は、2025年10月に産業機器向けデュアルチャネルデジタルアイソレータ「DCL52xx00シリーズ」を発表しました。このICは、電気的に分離された回路間でデジタル信号を高速かつ確実に伝送する部品で、産業用システムにおけるデータ伝送の信頼性と安全性を高めます。

  • ルネサスエレクトロニクス株式会社は、2025年3月に車載向けBluetooth Low Energyシステムオンチップ(SoC)「DA14533」を発表しました。SoC(System-on-a-Chip)とは、1つの半導体チップ上に、CPUやメモリ、各種インターフェースなど、システムに必要な機能のほとんどを統合したものです。このチップは超低消費電力で、コネクテッドカーやIoTシステムにおけるデバイス間の通信と信号制御を効率的に行います。

これらの発表は、私たちの生活をより便利で安全にするための技術が、日々進化していることを示しています。

CMOS技術が市場をリード

標準ロジックICの技術セグメントでは、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)サブセグメントが、世界の市場で最も高いシェアである64.3%を占めると予測されています。

CMOS技術は、その本質的な低消費電力と高い耐ノイズ性という優れた特性により、現代の電子機器、特にバッテリー駆動のポータブルデバイスにとって非常に重要です。スマートフォンやノートパソコンのバッテリーが長持ちするのは、CMOS技術の恩恵が大きいと言えるでしょう。また、製造技術の継続的な進歩により、より小さなスペースに多くの部品を搭載できるようになり、コスト削減と性能向上を実現しています。

アジア太平洋地域が市場拡大の中心に

地域別の市場分析では、アジア太平洋地域が2035年末までに世界の標準ロジックIC市場の最大シェア69.8%を占めると予測されています。この地域における市場の拡大は、世界的な電子機器製造の中心地であることや、電気自動車産業の成長によって大きく推進されています。

インドの電子産業を例にとると、2023年から2024年の間に携帯電話の輸入割合を78%から3%未満にシフトさせ、国内製造業としての地位を強化しています。さらに、中国の「中国製造2025」やインドの「PLIスキーム」といった政府の政策も、半導体生産の強化を後押ししており、市場の成長に大きく貢献するでしょう。

また、人工知能(AI)や5Gネットワークのインフラ拡張も、高速なロジックICの需要を生み出し、この地域の市場をさらに活性化させると見られています。

日本の標準ロジックIC市場の主要プレイヤー

日本の標準ロジックIC市場を牽引する主要な企業は以下の通りです。

  • 東芝デバイス&ストレージ株式会社

  • ルネサスエレクトロニクス株式会社

  • ローム株式会社

  • Rapidus株式会社

  • ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

これらの企業が、日本の、そして世界のデジタル社会の発展に貢献しています。

まとめ:未来を創る標準ロジックIC

標準ロジックIC市場の着実な成長は、私たちの生活が今後ますますデジタル化され、スマートになることを示しています。スマートフォンやPCはもちろん、自動運転車、AIが搭載された家電、そしてまだ見ぬ未来のデバイスまで、これらの小さなチップが、私たちの毎日をより便利に、より豊かに、そしてより安全なものへと変えていくでしょう。この進化の波に、あなたもぜひ注目してみてください。

Research Nester Inc.について、詳細はこちらをご覧ください。

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