2026.08.04 業界最新情報

スマホやPCの進化を支える「改質樹脂被覆銅」!市場規模が2032年に約2倍に拡大予測

私たちの生活を豊かにする電子機器の進化の裏側

私たちの身の回りにあるスマートフォンやPC。年々薄く、軽くなり、性能も向上していますよね。この目覚ましい進化の裏には、普段私たちが目にすることのない、非常に重要な素材の進化が隠されています。それが今回ご紹介する「改質樹脂被覆銅」です。

改質樹脂被覆銅とは?

「改質樹脂被覆銅(Modified Resin Coated Copper)」とは、銅導体の表面に特殊な樹脂を被覆した材料のこと。簡単に言えば、電気をよく通す銅と、電気を通さない絶縁性の樹脂を組み合わせた複合材料です。この素材は、「粘着剤付き銅箔(RCC)」とも呼ばれ、極薄の銅箔に絶縁性のある樹脂粘着剤をコーティングして作られます。

なぜ重要なのか?

この改質樹脂被覆銅は、導電層(電気を通す部分)と絶縁接着層(電気を通さず、部品を接着する部分)の二つの機能を同時に果たすことができます。これにより、スマートフォンやPCに使われる「HDI(高密度配線)多層回路基板」という、非常に複雑で高密度な回路を持つ基板の製造に不可欠な材料となっています。

具体的には、スマートフォンのマザーボード、サーバーのマザーボード、カメラモジュール用回路基板、ウェアラブルデバイス用回路基板、さらには自動車の電子制御モジュール回路基板といった、高性能な電子製品の製造工程で広く使用されています。

市場は急速に成長中!2032年には約2倍の規模に

株式会社マーケットリサーチセンターが発表した調査資料によると、改質樹脂被覆銅の世界市場は、2025年の9億3,500万米ドルから、2032年には19億2,500万米ドルへと大きく拡大すると予測されています。これは、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)10.6%で成長する計算になります。

成長を牽引する主な要因

この市場の急速な成長は、いくつかの要因によって支えられています。

  • 政策的な推進: 各国が半導体や電子情報産業チェーンの自立的な開発を進め、主要な電子材料の現地生産を強化していることが背景にあります。

  • 技術革新: 超薄型銅箔の製造技術、高周波・高速に対応する樹脂システム、そして高精度なコーティングプロセスの継続的な技術的ブレークスルーが、製品の高密度化を可能にしています。

  • 消費者ニーズの変化: スマート端末のさらなる薄型・軽量化、人工知能(AI)デバイスの普及、そして自動車の電子システムの増加が、高性能な改質樹脂被覆銅への需要を継続的に高めています。

私たちの生活にどう影響する?

改質樹脂被覆銅の進化は、私たちの身近なデジタルデバイスの未来を形作ります。

  • スマートフォンの進化: より薄く、軽く、高性能なスマートフォンの実現に貢献します。

  • AIデバイスの普及: 高度な演算処理を必要とするAIデバイスの、より高密度な回路設計に対応できるようになります。

  • 自動車の電子化: 電気自動車や自動運転システムにおける、制御モジュールやバッテリー管理システムなどの高性能化・小型化をサポートします。

今後の展望

今後数年間、民生用電子機器の高性能化、AIデバイスの成長、そして自動車用電子機器の需要拡大に伴い、改質樹脂被覆銅業界は安定した成長を維持すると見込まれています。特に、ハイエンド製品の割合は今後も増加すると予想されています。また、環境に配慮したリサイクル可能な材料の開発も期待される分野です。

改質樹脂被覆銅は、現代のデジタル社会を支える不可欠な素材であり、その進化が私たちの未来のデバイスを形作っていくことでしょう。

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