2026.08.04 業界最新情報

つがる総合病院とNTTドコモビジネスが推進する地域医療DX:モバイル活用で変わる医療現場の未来

地域医療が抱える課題とDXの必要性

青森県の西北五地域は、住民の入院医療の多くが圏域外に流出しているという課題を抱えています。このような状況で、つがる総合病院は、命に関わる重篤な状態の患者に対し、専門的かつ集中的な治療を短期間で行う「高度急性期医療」を担う中核病院として機能しています。

特に救急医療の現場では、夜間や休日を問わず、当直医だけでなく、自宅などで待機し要請を受けて対応する「オンコール体制」の医師による迅速な判断が求められます。このような背景から、つがる総合病院は、高度急性期医療の意思決定の迅速化と医療の質向上を目指し、デジタル技術を活用して医療の質向上や業務効率化、情報連携の強化を実現する「医療DX」の推進に乗り出しました。

「携帯電話に関する環境構築及びサービス提供に係る公募型プロポーザル」の結果、NTTドコモビジネスの提案と地域DXに関する実績が高く評価され、今回の連携が実現しました。

モバイル環境整備がもたらす革新的な変化

1. 「いつでも・どこでも」実現する診療支援環境

この取り組みでは、スマートフォンやタブレット端末が院内に導入され、それを安全かつ効率的に使うための通信環境と管理基盤が整備されました。

最も注目すべきは、オンコール対応の医師が病院の外にいても、安全に電子カルテシステムを閲覧できるようになった点です。これにより、医師は患者の情報をリアルタイムに把握し、当直医や院内の医療スタッフへ適切な指示を出すことが可能になります。重症患者への初期対応の迅速化、専門医による迅速な意思決定、そして夜間・休日における救急対応力の強化が期待されます。

セキュリティ面も万全です。パスワードに加え生体認証やワンタイムコードなど複数の要素を組み合わせて本人確認を行う「多要素認証」や、スマートフォンやタブレットなどの業務用端末を一元的に管理し、セキュリティ設定や利用制御を行う「MDM(モバイルデバイス管理)」が導入されています。さらに、通信経路の暗号化やアクセスログの記録により、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した、非常に安全な医療情報の運用基盤が構築されています。

2. 多職種連携を強化するコミュニケーション

スマートフォンやタブレット端末の導入は、院内のコミュニケーションを大きく変えます。チャットツールを活用した情報共有、通信事業者(携帯電話会社など)が提供するモバイル通信ネットワークである「キャリア回線」を用いた音声通話、そして電子カルテ情報の共有が容易になります。

これにより、医師、看護師、そして薬剤師や理学療法士などの医師・看護師以外の医療専門職の総称である「コメディカル」といった多職種間での迅速かつ正確な情報共有が可能となり、高度急性期医療の現場で発生しがちな時間的なロスを最小限に抑えられます。

3. 医療従事者の業務効率化と働きがい向上

モバイル端末の活用は、電子カルテシステムへのアクセスや院内連絡のデジタル化を推進し、医療従事者の業務負担を軽減します。情報共有が迅速になることで、医師や看護師をはじめとする医療従事者が、本来の専門性を最大限に発揮し、患者と向き合う時間を増やすことができる職場環境の整備につながります。

4. 患者さんへの医療サービス品質向上

デジタル基盤の整備は、患者さんにとっても大きなメリットをもたらします。より迅速で質の高い医療サービスの提供が可能となり、特に高度急性期医療における初期対応の迅速化は、患者さんの予後改善に貢献するでしょう。また、院内での待ち時間の短縮や、医療スタッフ間の情報連携強化を通じて、患者さんにとって安心・安全な療養環境の実現に寄与します。

地域医療の未来を見据えた展望

つがる総合病院は、今回のモバイル端末環境の整備を皮切りに、NTTドコモビジネスとの連携をさらに深め、西北五地域における高度急性期医療の質的向上に取り組んでいく方針です。

今後は、中核病院としての機能を最大限に活かし、医療DXを継続的に推進するだけでなく、地域内の医療資源を補完する観点から、オンライン診療体制の確立や、慢性期医療・看取り対応への遠隔支援も段階的に整備していく予定です。

労働人口が減少する中でも地域医療を持続可能なものとするため、効率的なコミュニケーション環境を整備し、医療従事者の満足度と定着率の向上も目指しています。

つがる総合病院とNTTドコモビジネスは、地域の患者さんへの医療サービスの質向上と、地域医療全体の持続的な発展に貢献していきます。

つがる総合病院について

つがる総合病院は、青森県五所川原市に位置し、438床を有する西北五地域保健医療圏の中核病院です。消化器、循環器、脳神経外科、精神科、救急医療など多様な診療機能を提供し、地域住民の健康を守る基幹医療機関として、急性期医療を中心に幅広い疾患に対応しています。

URL: https://www.tsgren.jp/tsugaru-general-hospital/

NTTドコモビジネス株式会社について

NTTコミュニケーションズ株式会社は、2025年7月1日に社名を「NTTドコモビジネス株式会社」に変更しました。企業と地域が持続的に成長できる自律・分散・協調型社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を創造し、豊かな社会の実現を目指しています。

URL: https://www.ntt.com/about-us/nttdocomobusiness.html

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