2026.08.21 業界最新情報

AIが5G通信を劇的に進化!ソフトバンクとエリクソンが「AI in RAN」で実現する、スマホがもっとサクサク動く未来

未来の通信がもう目の前に!AIが5Gを賢く進化させる

スマートフォンやPCを使ったオンラインサービスは、私たちの生活に欠かせないものとなっています。特に、AIアシスタントや没入型アプリケーションといった新しい技術の普及により、モバイルネットワークにはこれまで以上に大容量で安定した通信が求められています。

このような背景の中、ソフトバンク株式会社とエリクソン・ジャパン株式会社は、5G(第5世代移動通信システム)の商用ネットワークにおいて、エリクソンの先進技術「AI in RAN」の有効性を日本で初めて実証しました。この技術は、AI(人工知能)を通信の根幹部分に直接適用することで、私たちのスマホ体験を劇的に向上させる可能性を秘めています。

「AI in RAN」って何?なぜスマホが速くなるの?

「AI in RAN」とは、RAN(無線アクセスネットワーク)という、スマートフォンなどの端末と基地局をつなぐネットワークの重要な部分にAIを直接組み込む技術のことです。まるでネットワーク自体に賢い脳が搭載されるようなイメージです。

従来の通信最適化は、あらかじめ設定されたルールに基づいて行われることが多かったのですが、「AI in RAN」では、AIがリアルタイムで電波状況やトラフィック(通信量)の変化を学習し、最適な通信方法を判断します。これにより、刻一刻と変化する無線環境に柔軟に対応し、通信の性能と効率を最大限に引き出すことができるのです。

驚きの実証結果!最大50%の速度向上と安定性

今回の実証では、エリクソンの「AI in RAN」の機能の一つである「AIネイティブ・リンクアダプテーション用スケジューラー」が活用されました。その結果、従来の技術と比較して以下のような顕著な改善が確認されました。

  • スペクトル効率が最大約25%向上

  • 下りユーザースループットが最大約50%向上

さらに、全ての評価エリアにおいて、スペクトル効率と下りユーザースループットが共に平均約10%改善し、一貫して性能を向上できることが確認されました。

専門用語をわかりやすく解説!

  • RAN(無線アクセスネットワーク): スマートフォンやタブレットなどの端末が、携帯電話の基地局と無線でつながるためのネットワーク部分を指します。ここがスムーズに機能することで、私たちは快適に通信ができます。

  • スペクトル効率: 限られた周波数帯域(電波の幅)の中で、どれだけ多くの情報を効率良く送れるかを示す指標です。この効率が上がると、同じ電波でより多くのデータを送れるようになり、たくさんの人が同時に使っても快適な通信が可能になります。

  • 下りユーザースループット: 基地局からスマートフォンなどの端末へデータが送られる際の、実際のデータ転送速度のことです。この数値が高いほど、動画の読み込みやアプリのダウンロードが速く、快適になります。

AIネイティブ・リンクアダプテーション用スケジューラーと従来方式の違い

AIが電波状況をリアルタイムで判断!「AIネイティブ・リンクアダプテーション用スケジューラー」の力

「AIネイティブ・リンクアダプテーション用スケジューラー」は、通信基地局のベースバンド装置上にあるAIが、リアルタイムに判断して実行されます。従来の最適化手法がオフラインでの分析や静的な設定に依存していたのに対し、AIモデルが複雑に変化する無線環境を学習し、推論することで、以下のようなメリットが実現します。

  • 電波干渉が大きいエリアやセル境界にいるユーザーの通信設定を最適化し、より安定した接続を提供します。

  • 混雑したエリアなど厳しい無線環境下でも、ユーザースループット(通信速度)を安定させます。

  • スペクトル効率の向上により、既存の周波数帯域でより多くのトラフィック(通信量)を収容できるようになります。

これにより、まるで賢いパイロットが飛行機の状況を常に判断し、最適な飛行ルートを選び続けるように、AIがネットワークの最適な状態を維持してくれるのです。

未来へ向かう一歩:5G Advanced、そして6Gへ

今回の実証は、ソフトバンクとエリクソンが協力してAIネイティブなRANの実現を目指す取り組みの一環として行われました。この成果は、将来の5G Advanced(5Gのさらなる進化版)や6G(第6世代移動通信システム)といった次世代通信技術の発展に向けた重要な一歩となります。

ソフトバンクの常務執行役員 兼 CNOである大矢晃之氏は、「AIの社会実装が急速に進展する中、モバイルネットワークにはこれまで以上に大容量かつ変動性の高いトラフィックへの対応が求められています。この成果は、AIを活用したRANの高度化における重要なマイルストーンであり、将来のAI時代を支えるネットワークの実現に向けた大きな一歩です」と述べています。

エリクソンのネットワーク戦略・製品管理部門責任者のマーテン・ラーナー氏は、「今回の成果は、高度なAI機能と通信事業者の専門知識、そして適切に管理されたデータを組み合わせることで、AIのイノベーションを性能やお客さま体験の明確な向上に結び付けられることを示しています」と語り、AIがもたらす顧客体験の向上に自信を示しています。

エリクソン・ジャパンの代表取締役社長であるジャワッド・マンスール氏は、「商用可能なハードウエアとソフトウエアを用いたネットワークにおいて、RANにAIを直接適用することで、大幅な性能向上を実現できることを示しました。今後も両社のパートナーシップを一層強化し、日本発の先進的なネットワークソリューションを世界に発信していきます」と、今後の展望を述べています。

両社は今後も協力し、AIネイティブなRANソフトウエアの継続的な進化を目指していくとのことです。私たちのスマホが、きっと今よりもっと賢く、快適に使えるようになる未来が、もうすぐそこまで来ています。

関連情報

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