2026.09.10 業界最新情報

台湾の次世代リーダーがスマートニュースを訪問!AI時代の情報との向き合い方を徹底議論

台湾の次世代を担う若者がスマートニュースを訪問

2026年8月、スマートニュース株式会社は、台湾政府が主導する青少年育成プロジェクト「青年百億海外圓夢基金計畫 I-3-2 日本メディア AIリーダーシップ」の一環として、台湾の学生・若手ビジネスパーソン20名を東京オフィスに迎えました。

このプログラムは、台湾の次世代を担う若者が海外での学びや交流を通じて、グローバルな視点を養うことを目的としています。今回の日本ツアーでは、「日本のメディアにおけるAIリーダーシップ」などをテーマに、メディアやテクノロジーに関わる企業・団体への訪問が行われました。

スマートニュースは、このプログラムの趣旨に賛同し、訪問先の一社として講演、質疑応答、オフィス見学の機会を提供しました。

ワークショップの様子

「For the Common Good」の視点から、次世代との対話に協力

スマートニュースは、創業以来「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」ことをミッションに掲げています。インターネットやモバイル、そしてAIの進化によって情報の流通環境は大きく変化し、利便性が増す一方で、社会全体で向き合うべき課題も広がっています。

例えば、ユーザーが自分の好みに合う情報ばかりに囲まれてしまう「フィルターバブル」や、誤情報の拡散、情報の偏り、そしてメディアエコシステムの持続可能性などが挙げられます。これらの課題は国や地域にとどまらず、国境を越えて考えるべき共通のテーマです。

今回の受け入れは、スマートニュースのミッションである「For the Common Good」(公共の利益のために)の視点から、台湾の次世代を担う若者たちが情報とテクノロジーの未来について考える機会に協力するものです。参加者との対話は、スマートニュースにとっても、これからの情報環境を多角的に考える貴重な機会となりました。

スマートニュースの創業背景とミッション

共同創業者兼CEOの浜本階生氏

当日は、共同創業者兼CEOの浜本階生氏が登壇し、スマートニュースの創業背景や大切にしてきた考え方を紹介しました。浜本氏は、ソフトウェアエンジニアとしてインターネット上の膨大な情報に関心を持ち、「世界で今まさに何が起きているか」を伝えるニュースに着目したことが、スマートニュースの構想につながったと説明しました。

SmartNewsの初期の成長を支えた要素の一つは、オフラインでもニュースを読める機能です。2012年の創業当時、地下鉄などで通信が途切れやすかった日本のモバイル環境において、通勤中でもニュースを読める体験を提供したことが、多くのユーザーに支持されました。

一方で、米国市場への進出を通じて、インターネットやパーソナライズアルゴリズムが、ユーザーを自分の好みに近い情報へ閉じ込める「フィルターバブル」を強め、社会の分断につながり得るという課題が見えてきました。浜本氏は、スマートニュースが目指すのはクリック率やページビューのみを追い求めるのではなく、ユーザーが普段触れない情報や多様な視点に出会う「パーソナライズされた発見」であると説明しました。

また、現在取り組んでいる新しい挑戦の一例として、2026年8月にローンチしたばかりの地図アプリ「Wanderland」も紹介されました。WanderlandはSmartNewsとは独立したアプリですが、「良質な情報を、それを必要とする人に届ける」という考え方は共通しています。AIを活用しながら、目的地まで最短で到達するだけでなく、ユーザーが自分の周囲にある魅力的な場所や、まだ知らなかった地域の情報に出会う体験づくりを目指しています。

Wanderlandの紹介

メディアエコシステムとともに考えるAI活用

Vice President of JP Media Businessのホンランドン氏

続いて、Vice President of JP Media Businessのホンランドン氏が登壇し、スマートニュースのビジネスモデルや、AI時代におけるメディアエコシステムの課題について紹介しました。スマートニュースは、提携するメディアパートナーから提供される良質なコンテンツをユーザーに届け、広告収益をメディア側に還元することで成り立っています。

ランドン氏は、AIによって誰もが瞬時にコンテンツを生成できる時代において、以下の課題への対応が重要になると説明しました。

  • 誤情報やハルシネーション: AIが事実に基づかない情報や虚偽の内容を生成してしまう現象。

  • ゼロクリック問題: AI要約だけで情報が完結し、元記事が読まれなくなることで、メディアの収益機会が失われる問題。

  • 過度なパーソナライズによるフィルターバブル: ユーザーが自分の興味に合う情報ばかりに囲まれてしまい、視野が狭まる現象。

  • AIによって大量生成される低品質コンテンツ。

講演では、SmartNewsで展開している「スマニューAIまとめ」についても紹介されました。スマニューAIまとめは、単一の記事を要約するのではなく、特定のテーマに関連する複数の記事をもとに、ユーザーが全体像を把握しやすい形で情報を整理する機能です。提携しているメディアパートナーの記事をもとに個別に要約を生成し、元記事を制作したメディアに対して適切に収益が還元される仕組みを組み込んでいます。

また、開発にあたっては、メディアパートナーとの議論を重ね、各社の論調や主張が混同されないように設計されています。ランドン氏は、AIが情報流通に大きな影響を与える時代だからこそ、テクノロジーの利便性と、良質な一次情報を生み出すメディアエコシステムの持続可能性を両立させることが重要だと共有しました。

米国市場で取り組んでいるAI翻訳機能についても紹介されました。言語の壁を越えて、提携メディアが発信する情報をより多くの読者に届けることは、スマートニュースのミッションにもつながる取り組みです。

スマニューAIまとめの説明

台湾の若者との活発な質疑応答

質疑応答の様子

講演後の質疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられました。Wanderlandにおける位置情報とパーソナライズのバランスやマネタイズの可能性、AI時代におけるニュースアプリの役割、配信記事の品質管理、AIと人間のモデレーションの役割分担など、質問は多岐にわたりました。

例えば、配信記事の品質管理に関する質問に対して、ランドン氏は、SmartNewsでは契約を結んだメディアパートナーの記事のみを配信していること、登録時の審査に加え、配信後もモデレーションチームによる監視やユーザーからのフィードバックなどを組み合わせて品質管理を行っていることを説明しました。

質疑応答での説明

また、AIが情報社会の分断を解消できるのかという問いに対しては、ニュースのジャンルやテーマによって適切な伝え方は異なるとした上で、人間の知見をもとにした設計とAIによる自動化を組み合わせることで、信頼性と効率性の両立を目指していることが共有されました。

質疑応答の後には、参加者の皆さんにスマートニュースのオフィスを見学していただき、働く環境についても紹介しました。

オフィスでの交流風景

国や地域を越えた対話が、これからの情報環境を創る

今回の訪問は、台湾政府主導の青少年育成プロジェクトの一環として実施されたものです。スマートニュースにとっても、台湾の若い世代の皆さんと、AI、メディア、情報の信頼性、テクノロジーの社会的役割について意見を交わす貴重な機会となりました。

情報環境の変化は、世界中で同時に進んでいます。AIの進化によって情報へのアクセスはより便利になる一方で、信頼性、透明性、多様性、そしてメディアエコシステムの持続可能性をどう守るかという課題も複雑化しています。

スマートニュースは、日本発のグローバル企業として、国内外の多様なステークホルダーとの対話を大切にしながら、情報とテクノロジーを通じて社会に貢献することを目指しています。

今回のような国際的な交流の機会を通じて、次世代を担う若者が、よりよい情報環境やテクノロジーの使い方について考えるきっかけを得ることは、スマートニュースのミッション「For the Common Good」の実践にもつながるものと考えられます。

スマートニュースは今後も、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションのもと、社会にとってよりよい情報体験の実現に向けて取り組んでいくとのことです。

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