IoT機器の通信に革命をもたらす「SGP.32」とは?
近年、私たちの身の回りでは、工場や社会インフラ、モビリティなど、さまざまな場所でIoT機器の活用が進んでいます。しかし、IoT機器の通信には「安定した接続を確保したい」「利用状況に応じて通信量を調整したい」「海外でもスムーズに使いたい」といった多様なニーズがあり、従来のSIMカードでは対応が難しい場面も少なくありませんでした。
こうした課題に応えるべく、ソラコムとKDDIは、GSM Association(GSMA)が策定したIoT機器向けの次世代eSIM規格「SGP.32」に対応するIoT SIMとプロファイル管理機能を共同で開発し、商用化に向けた検証を完了しました。ソラコムは2026年7月7日から、KDDIは2026年度下期から順次サービス提供を開始します。これは国内通信事業者として初めての取り組みとなります。
eSIMとSGP.32の基本
eSIMとは、物理的なSIMカードを機器に差し込む代わりに、デバイス内部に組み込まれた、遠隔で通信契約情報(プロファイル)を書き換えられるSIMのことです。これにより、SIMカードの交換作業が不要になります。
そしてSGP.32は、このeSIMに搭載された「プロファイル」を、遠隔から追加したり切り替えたりする仕組みを定めた規格です。プロファイルとは、特定の通信事業者の回線を利用するための設定情報のこと。SGP.32に対応することで、IoT機器の利用状況や場所に合わせ、最適な通信環境を柔軟に選択できるようになります。

SGP.32がもたらす3つの大きな特長
SGP.32に対応したIoT SIMとプロファイル管理機能は、IoTの運用を劇的に効率化し、新たな可能性を切り開きます。
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通信プロファイルの遠隔管理・切替
IoT機器の用途や利用エリア、時間の経過による状況の変化に応じて、最適な通信プロファイルを遠隔から追加したり切り替えたりできます。これにより、常に最も効率的でコストパフォーマンスの高い通信設計が可能になります。 -
通信プロファイルの自動切替で事業継続を支援
もし通信品質の低下や予期せぬトラブルが発生した場合でも、あらかじめ設定しておいたバックアップ用の通信プロファイルに自動で切り替えることができます。これにより、ネットワークの冗長構成が確保され、IoTを活用した事業の継続性を力強くサポートします。 -
海外でも柔軟な利用が可能に
国際ローミングが規制されている国や地域であっても、現地の通信事業者が提供する許可されたプロファイルを遠隔で追加・切り替えることで、通信手段を確保できます。これにより、グローバルなIoT事業展開がこれまで以上にスムーズになります。
SGP.32で広がるIoTの活用事例
SGP.32の登場により、IoTはさらに多くのシーンで活躍するでしょう。
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事業継続を目的としたネットワークの冗長化
例えば、エレベーターの監視システムや自動販売機の電子決済端末など、常に安定した通信が求められる場面で、万が一の回線障害時にも自動で別の通信事業者の回線に切り替えることで、サービスの停止を防ぎ、事業継続に貢献します。 -
小容量通信と大容量通信の使い分け
商業施設のデジタルサイネージのように、普段は監視のための小容量通信で十分でも、動画コンテンツの更新時だけは大容量通信が必要になるケースがあります。SGP.32を活用すれば、このような状況に応じて最適なプロファイルを遠隔で選択し、通信コストを抑えながら効率的な運用が可能になります。 -
国際ローミングを規制する国・地域での通信手段確保
グローバルにIoT事業を展開する際、各国・地域の通信規制への対応は大きな課題です。SGP.32を使えば、国際ローミングが規制されている地域でも、現地の通信事業者のプロファイルを柔軟に選択・変更できるため、規制に対応しつつ安定したグローバル展開を実現できます。
国内初の商用提供へ
今回の「SGP.32」対応IoT SIMおよびプロファイル管理機能の共同開発は、2025年3月にソラコムとKDDIが締結したIoT分野における協業に関する包括契約に基づいて実現しました。
これにより、IoT機器の運用における柔軟性、信頼性、そしてグローバル展開の可能性が大きく広がります。
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