2026.05.13 業界最新情報

「圏外ゼロ」へ!「Buddycom」が「au Starlink Direct」衛星通信での実証に成功、現場の通信革命が加速

現場の「圏外」をなくす画期的な一歩

これまで、山間部の建設現場や広大な物流拠点、さらには海上など、携帯電話の電波が届きにくい「圏外エリア」での業務は、現場で働く人々(フロントラインワーカー)の安全管理や、本部とのリアルタイムな連携を困難にする大きな課題でした。

こうした課題に対し、株式会社サイエンスアーツが提供するライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」が、KDDI株式会社の衛星通信サービス「au Starlink Direct」環境下での実証試験に成功しました。これにより、専用アンテナ不要で、スマートフォン単体で「圏外」をなくす道が開かれました。

Buddycomとau Starlink Directの実証成功

Buddycomとは?現場を「つなぐ」コミュニケーションツール

「Buddycom」は、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールするだけで、トランシーバーや無線機のように複数人と同時にコミュニケーションがとれるサービスです。インターネット通信網(4G、5G、Wi-Fi)を利用するため、従来の無線機とは異なり距離の制約がありません。音声通話だけでなく、テキストチャット、動画、位置情報(IoT)の共有、さらにはAIを活用したデジタルアシスタントとの連携も可能です。

このサービスは、航空、鉄道、建設、福祉施設、流通など、多岐にわたる業種で利用されており、現場のコミュニケーションを効率化し、安全性を高めることに貢献しています。

Buddycomアプリ画面

Buddycomについて詳しくはこちらをご覧ください。
https://buddycom.net/

au Starlink Directとは?スマホが直接衛星とつながる

「au Starlink Direct」は、スマートフォンが約650基のStarlink直接通信衛星と直接つながることで、空が見える場所であれば「圏外エリア」でも通信を可能にする画期的なサービスです。日本の携帯電話サービス「au」の人口カバー率は99.9%を超えていますが、山間部や島しょ部といった地形的な要因により、面積カバー率は約60%にとどまっています。この「au Starlink Direct」は、残りの約40%を含む日本全土での通信を可能にし、家族や友人との連絡手段、緊急時の活用が期待されています。

このサービスでは、メッセージの送受信や位置情報の共有、緊急地震速報の受信、AI相談に加え、対応アプリでのデータ通信が利用できます。auの契約者だけでなく、他社の回線を契約している方も利用できる点が大きな特徴です。

au Starlink Directについて詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.au.com/brand/tsunagu/starlink/

実証成功がもたらす現場の変革

今回の実証試験では、「au Starlink Direct」環境下で「Buddycom」のトランシーバー通話(通信ボタンを押している間だけ音声が送信されるPTT方式の通話)が可能であることが確認されました。これにより、これまで電波が届かなかった場所でも、スマートフォン一つでリアルタイムな音声コミュニケーションが実現します。

期待される活用シーン

  • 電力・ガス等のユーティリティ:電波不感地帯での災害発生時など、非常時の迅速な通信手段の確保に役立ちます。

  • 建設・土木・インフラ保守:山間部のダム建設や道路工事、送電線保守といった現場で、作業進捗の報告や本部からのリアルタイムな指示出しがスムーズに行えるようになります。

  • 林業・水産業:携帯電話の電波が届きにくい山林や、領海・接続水域などの海上において、現場業務の支援に貢献します。

今後の展望

サイエンスアーツは今回の実証試験を受け、「au Starlink Direct」環境下で「Buddycom」をより安定して利用できるように、2026年夏頃の正式対応を目指し、技術検証と開発を加速していくとのことです。映像配信やマップ通話については機能制限がかかる可能性もあるとされていますが、現場のフロントラインワーカーがいつでもどこでもつながれるコミュニケーション基盤の提供に、大きな期待が寄せられます。

×